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AIFF 2025
メディア・テクノロジー・サービスのRunwayが主催する映画祭、AIFF 2025が開かれました。これはGenerative AIで製作された映画を対象とした映画祭です。審査員の顔ぶれもなかなか錚々たるもので、ハーモニー・コリン、ギャスパー・ノエ、ジェーン・ローゼンタール(Tribeca Film Festival 主催者)などが入っています。参加作品は短編映画ばかりのようですが、ジャンルは多種多様で、アニメーション・スタイルから、ドキュメンタリーまであるようです。Ars TechnicaやForbesが報告しています。グランプリを受賞したのは『Total Pixel Space』。
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Total Pixel Space (2025), A short film by Jacob Adler. |
Public Domain Cinematic Universe
著作権が切れて、パブリック・ドメインに入ったキャラクター(Winnie the Pooh, Micky Mouse, Popeye など)を使った映画が、この数年増えているようです。それらの映画を一堂に会すると「Public Domain Cinematic Universe」ができる、というのがRex Sorgatzの見立てです。しかし、「Winnie-the-Pooh: Blood and Honey」とか「Peter Pan's Neverland Nightmare」とか、全部ホラー映画です(著作権とは別にトレードマーク/登録商標の問題があるので、パロディが自明であるホラーが選ばれている、ということらしいです)。どれも低予算映画であるとはいえ、予告編だけで十分な気がしてしまうのは私だけですか。
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The Dark Domain: MVW Mickey-vs-Winnie (2025) |
Dark Romance
フィクションならば、どんなに非人道的なことでも肯定的に書いていいのか ── 英語圏では特に「Dark Romance」と呼ばれるジャンルの小説が今この問題に直面しています。ダーク・ロマンスとは「恋愛(ロマンス)のストーリーラインを維持しつつも、虐待、トラウマ、暴力といった成熟した題材をとりあげるサブジャンル(Jenna Totten)」のことを指します。恋人間、家庭内での暴力、ストーキング、小児性愛、支配、そういったものが主体となる恋愛小説だということです。このサブジャンルは2020年のCovid-21のパンデミックをきっかけに急速に人気を広めていったと言われています。4月、オーストラリアのダーク・ロマンス小説家、トリ・ウッズは、著作「Daddy's Little Toy」が児童に対する性的暴力の描写を含んでいるとして、逮捕されました。Tori Woodsの事件については、こちらの記事が詳細を報じています。Jenna Tottenは、ダーク・ロマンスがフィクションの垣根を乗り越えて現実世界に影響を及ぼし始めているのではないか、という懸念について書いています。ダーク・ロマンスの読者たちの一部が、テッド・バンディやウェイド・ウィルソンの熱狂的なファンになっていると指摘しています。
銀のグリフォン
トランプ政権がイランの核施設を爆撃したことがニュースになっています。アメリカは、イランの核開発を警戒して、今までにも幾度も介入しようとしていました。かつてバラク・オバマ大統領がイランのハサン・ロウハーニー大統領と会談し、核開発の問題の外交的解決を図っていた時期もあります。その際に、イランとの関係を改善するためのアメリカ側の友好的外交ジェスチャーのひとつとして、「盗掘されたイランの文化遺産の返還」がありました。このときに返還された「銀のグリフォン」は、紀元前7世紀のものとされ、1990年代にイラン北西部から盗掘されたのち、2000年にアメリカに持ち込まれた、銀の杯です。しかし、返還直後から「あれは偽物」「現代の偽造品」と美術研究者、考古学者から批判があがりました。あれは、その後どうなったんでしょうか。
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2013年にイランに返還された銀のグリフォン
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