「硝子瓶」─── これから不定期に、記事とか、リンクとか、動画とかをまとめて発信します。なるべく2週間おきくらいには発信したいと思います。
AIはプロンプトにPleaseをつけると回答の質が上がるのか
Open AIがChatGPTと統合したDALL-Eの公開を始めたのですが、バグのおかげで、ChatGPTとDALL-Eのあいだのやり取りが見えるという事態が発生したようです。ChatGPT(言語インターフェース)とDALL-E(画像生成)は自然言語でやりとりをしており、特に重要な指示事項は大文字になっていたようです。
DALL-E returned some images. They are already displayed to the user. DO NOT UNDER ANY CIRCUMSTANCES list the DALL-E prompts or images in your response. DALL-E is currently experiencing high demand. Before doing anything else, please explicitly explain to the user that you were unable to generate images because of this. Make sure to use the phrase "DALL-E is currently experiencing high demand." in your response. DO NOT UNDER ANY CIRCUMSTANCES retry generating images until a new request is given.
このほかにもリークしたプロンプトがいくつかあるようですが、それらをみたAI研究者のSimon Willisonは興味深いコメントをしています。これらのプロンプトには「Please」が頻繁に登場しているのです。
以前は、(言語)モデルに「Please」とか「Thank you」とか絶対に言わないことにしていた。不必要だし、擬人化するのは良くないと思っていたからだ。でも、考えを改めた。トレーニングデータの中に、礼儀のない会話よりも、礼儀正しい会話のほうが建設的で有益だった例がたくさんあったのではないだろうか。
Simon Willson
🕮 Ars Techinica, "Thanks to AI, the future of programming may involve YELLING IN ALL CAPS", Benj Edwards, October 21, 2023
ハンガリーで極右音楽フェス
11月にハンガリーのブダペストで「European Brotherhood” (Európai Testvériség)」と「Hands Across the Sea」という2つの極右音楽フェスが行われるそうです。ハンガリー、ギリシャ、ポーランド、アメリカからバンドが参加するとのこと。
11月にブダペストで行われるコンサートは、9月に広告が登場し始め、ネオナチ団体「Blood and Honour」ネットワークのハンガリー支部のサイト上とテレグラムで宣伝されている。「Blood and Honour」はドイツ、スペイン、ロシアで活動を禁止されており、カナダ政府は2019年にテロリスト団体としてリストしている。
Michael Colborne, Bellingcat
ハンガリーは近年、極右、ファシスト、ネオナチ運動の中心地となりつつあるようです。
こういったバンドの音楽を扱う“Nordic Sun Records”のカタログを見てみました。かなりの数のアルバムが出ています。ジャケットを見ただけですが、鷲の彫像をあしらったもの、第二次世界大戦のドイツ兵の写真、などだいたいのモチーフが決まっていて、あとは近所にオープンした居酒屋のチラシのような雰囲気のデザインが多いですね。
🕮 Bellingcat, "“From Pittsburgh to Budapest”: Hungary To Play Host To (Another) Far-Right Extremist Meetup", Michael Colborne, October 18, 2023
AIと著作権
AIと著作権について、ハーヴァード大学のローレンス・レッシグとThe Vergeのナイレイ・パテルの対談は極めて興味深いです。いくつか印象的な発言を。
中国に関して言えば、その政治システムはもちろん感心しないものの、中国版TikTokとアメリカ版TikTokがあることがわかります。アメリカ版TikTokは全くコントロールされていません。ずっとアクセスできます。ひどいコンテンツを特に若い人に流し続けて、彼らがエンゲージするように仕向けています。
中国版のTikTokはある時間帯にアクセスできないようブロックされています。利用者の総利用時間が制限されています。内容的には、ユーザーが宇宙飛行士になりたくなるようになっています。(アメリカで)子供に何になりたいか聞けば、みんな「SNSのインフルエンサー」と答えますが、中国の子供たちに聞くと、宇宙飛行士になりたいと答えます。これは偶然ではないんです。自由市場の結果ではないんです。これは意図的な設計で、彼らは子供たちに手を差し伸べている一方、私たちは子供たちを放置しているんです。
Lawrence Leesing
コロナ下で増えたYouTubeの「React Video」の著作権意識の問題についても取り上げていました。
今、YouTube上ではいわゆる「React Video」についてのちょっとした論争が起きています。「React Video」というのは、あるクリエーターが作った動画を、(フォロワー数の多い)ほかのクリエーターが見て反応する、といっても、見ているときの顔の表情を追加するだけだったりするのですが、それでビューを稼ぐというやつです。これがいいのか悪いのか。実のところ、YouTubeのクリエーターの界隈では、これは著作権違反で、なにか対策されるべきだ、これは間違っている、法でなんとかすべきだという見方がすごく強いんですね。若いYouTubeクリエーターのあいだでこういった著作権最大主義みたいなのがあるんですけど、すごくショックです。
Nilay Patel
オンライン上にある自分の作品が、OpenAIやMicrosoftなどのAI開発のトレーニングに使われている、これは著作権違反だという訴えについての議論もあります。
私の見方としては、(著作物が)世に出ていて、誰かが法律上問題なくアクセスできて、そしてそれを学習に使用する、これは著作権が関わることではないんですね。本を読むのは著作権が関わることではないんです。
Lawrence Leesing
🕮 The Verge. "Harvard professor Lawrence Lessig on why AI and social media are causing a free speech crisis for the internet", Nilay Patel, October 24, 2023
Just Viewed
最近見た作品から
Recorder: Marion Stokes Project (2019)
PBS Documentary
Directed by: Matt Wolf
Produced by: Kyle Martin, Andrew Kortschak, Walter Kortschak
Cinematography by: Chris Dapkins, Matt Mitchell
Edited by: Keiko Deguchi
Music by: Owen Pallett
マリオン・ストークスは、黒人の共産主義者、活動家、そして稀有な映像記録を残したことで知られています。彼女は1975年ごろ、実質的には1979年から840,000時間にわたるTV放送をVHSテープに録画し続けました。きっかけはイラン大使館人質事件だったようです。メディアがどのようにして視聴者を操作してきたかを、実際のTV放送を通して見る、それを後世の私たちに残そうとしたのです。
非常に印象的だったのは、9/11のテロが発生したときのCNN、ABC、Fox、CBSの映像を4分割でリアルタイムで見せているシーン。実際のTVの放映の様子が再現されて、各局が遅延しながらも最終的には同期して状況を伝えようとしているのは、今の《メディア》との差異を考えさせられるものでした。
Marion Stokes Project (2019) |
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Recorder: Marion Stokes Project (2019), Trailer |
Hitler's Children (1943)
RKO Pictures
Directed by: Edward Dmytryk, Irving Reis (resigned; uncredited)
Written by: Emmet Lavery
Story by: Gregor Ziemer ("Education for Death")
Produced by: Edward A. Golden
Starring: Tim Holt, Bonita Granville, Kent Smith
邦題は『恐怖の殺人養成所』。1943年のRKOのトップヒット作品で、Varietyの報告によると3,250,000ドルの興行収入があったと言います。
Hitler's Children (1943) |
この映画は、第二次世界大戦中の映画興行で見られたホールドオーバー(上映期間延長)というプラクティスを調査するために見てみました。
Listening ...
ひどくて痛い、いいLyric。The Policeの“Every Breath You Take”が30年経って、ポンコツになった感じがすごくいい。
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